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2012/05/01号 | 親子で小松菜づくり一筋

 大きなビニールハウスの中で、元気いっぱいに育った小松菜が次々と束ねられていきます。ここは、伊興2丁目在住の磯貝政雄さん所有の埼玉県越谷市にあるハウスです。一緒に作業するのは、奥さんの美江子さんと長男の慎一郎さん。「オヤジの結束の早さは名人技です。私ら二人の合計より束ねる数が多いんですから…」と慎一郎さんは舌を巻きます。
 磯貝政雄さんの家は、古くから続く農家。政雄さんは「5代目か6代目かな。昔のことはよくわかんないです」と話します。現在区内に、1千の畑があるほか、20年ほど前、都立舎人公園造成のため代替地である埼玉県越谷市に転地となり、そちらにも7千の畑を持っています。
 「都会での農業の持続は大変です。周囲に家がどんどん建ってくるし…」と慎一郎さん。以前は、ほかの作物も作っていましたが、現在は小松菜だけを作っています。
 収穫時は、朝から作業し、午後3時半頃まで結束、それを順に洗って段ボールに詰め、東京伊興青果(株)に持ち込みます。年に6回作り、出荷するのは何と10万〜11万束になるそうです。
 磯貝さんは認定農業者(※)です。磯貝さんの小松菜は、その品質の良さからこれまでに何度も区などの農産物品評会で入賞されています。そして慎一郎さんが、この2月に東京都後継者顕彰を受けました。慎一郎さんは「農業は好きな仕事。でも、サラリーマンとは違い、仕事は待ってくれない要素が強いので、自己管理に十二分に気を遣っています」と話します。
 区の特産品である小松菜を学校給食のメニューに取り入れる「小松菜給食」にも協力しています。「子どもたちの喜ぶ顔が浮かぶので、一生懸命作ります」。磯貝さん親子は今日も心を込めて農作業に励んでいます。


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