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企業ナウ(足立の産業)

2015/03/01号 | (有)篠原刃型

職人技と先進機器の精密技術が共存

 動物の形に切り抜かれた馬の一枚革を水で濡らし、柔らかくなったところで曲げたり伸ばしたりしてリアルな動物のフィギュアを作っていく「レザーアニマル」。この制作キットで人気を博す同社(篠原雄二社長)。平成26年度の足立ブランド企業として認定されました。
 昭和54年(1979年)の創業以来、スウェーデン鋼による抜き型製造と皮革裁断を行っている同社。抜き型は曲げの技術が特に重要で、機械化できない手作業の工程。顧客からの紙型に合わせ歪みなく正確に曲げる必要があります。同社の「曲げ」の職人技は30余年、高い評価を得ています。
 しかし、10年ほど前から、メーカーの多品種・小ロット生産の動きが強まりました。この流れを見据えて、CAD/CAMシステムによる自動革裁断機を導入。抜き型を作らずコンピュータで革を裁断出来るようになりました。この多品種・小ロット生産対応の革裁断技術と、中ロット向きの抜き型職人の製造技術が共存する同社は、都内でも珍しい存在です。
 「レザーアニマルは、CAD/CAMシステムによる緻密な細工のデモンストレーション用に考えました」と篠原社長。動物の写真を見て、革を切り抜く形をシステムに打ち込みます。象やキリンから始め、ライオンは細かなタテガミまで見事に表現されています。 これが、平成24年度TASKものづくり大賞(※)を獲得。足立ブランド認定への応募のきっかけとなりました。現在は約40種類が、500円〜2000円で販売されています。
 そして今回の認定。篠原社長は、「区内の地場産業が減少している中で、“こういう仕事がある”ということを知ってもらいたい。また、この技術力をアピールして、革裁断の受注を増やしたい」と話してくれました。
(※)TASKものづくり大賞…台東、足立、荒川、墨田、葛飾5区共同の生活提案型新製品のコンテスト。

会社名(店舗名) (有)篠原刃型
住所 足立区千住緑町3-2-2
電話番号 03-3881-0716
WEBサイト http://yu-factory.com/

※情報はときめき紙面に掲載した当時のものです。あらかじめご了承ください。