TOP  >  企業ナウ  >  (株)タイリク

企業ナウ(足立の産業)

1997/09/15号 | (株)タイリク

独自のノウハウで鉄筋加工機具を開発

 ビルなどの建築現場で、鉄筋の棒を組上げていく作業をよく見かけるが、阪神大震災以降、この工程がより複雑化している。安全性を考えて「より強固に」というオーナーの意思が強まっているのだ。
 その、地味で特殊なジャンルに挑戦し、成果を上げているのが同社だ。「これまでの油圧ベンダー等では不可能な鉄筋の折曲げを可能にしたんです」と語るのは、江川輝雄社長(55)。
 一昨年から川崎・扇島に建設中の天然ガスタンクの鉄筋組み立て作業に指名され、その折曲げ・加工技術は驚嘆の的になっている、という。高速道路の橋脚建設でも、同社の技術が生かされている。
 「あの阪神大震災の時に、橋脚が倒れましたよね。鉄筋と鉄筋をつなぐ時に、?圧接?というやり方を使っていたんですが、これでは強度がない。そこで、鉄筋を複雑に折曲げながらつないでいくやり方が主流になったんです」。時代が技術の進歩を呼ぶ、というパターンだ。
 同社は、昭和26年(1951年)、3人の兄が創業。江川現社長は、最初サラリーマンをしていたが、25歳の時にこの仕事に加わった。その後次男、3男が独立し、長男が6年前に死去して、4男の江川現社長が同社を引き継いだ。
 モットーは「技術開発こそ生き延びる道」。3年前から、企画・開発を仕事の中心に据え、製造は外注化した。「建設業の景気は最悪だが、何とかがんばりたい」と決意を語る江川社長は燃えている。従業員5人。資本金1000万円。

会社名(店舗名) (株)タイリク
住所 足立区本木2-28-6
電話番号 03-3886-3373

※情報はときめき紙面に掲載した当時のものです。あらかじめご了承ください。