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企業ナウ(足立の産業)

2011/02/01号 | (有)坂巻製作所

銀器製造一筋、足立ブランドに認定

 熱した1枚の銀の板から、かなづちなどで叩いて成型し、盆や皿、杯などを作り続けて約半世紀。同社の一人社長・坂巻亨(とおる)さん(65)が、このほど、東京マイスターに選ばれるとともに、区内の優秀な製造技術を持つ企業に贈られる「足立ブランド」に認定されました。
 「ガスバーナーで火入れし、何回も叩いて、また火入れしの繰り返し。根気のいる仕事です」と話す坂巻さんは、2代目です。小さい頃から、父親の銀器製造の姿を見、叩くマネをしてきた坂巻さんは、「最初から跡を継ぐものと思っていました」。都立工芸高校の金属科を卒業、18歳でこの仕事を始めました。
 メキメキと腕を上げた坂巻さん、その技術力が評価され、優勝者に贈られる銀盆の製作を日本プロゴルフ協会などから依頼されたり、皇居新宮殿落成の晩餐会に用いられた銀食器を宮内庁に納めたりもしました。
 3年前、先輩が作っていた「玉盃(ぎょくはい)」に興味を持ちました。「玉盃」は、杯にお酒を注ぐと、そのお酒の表面に、ない玉があるかのように浮き上がって見えるもの。光の反射が水面に集まって出来る現象で、内側の勾配の加減が難しく、緻密な計算と技術力が要求されるものです。
 坂巻さんは、現在、国の事業の一環として、区立栗原北小および都内の4年生に「伝統工芸」の授業で、銀の指輪を使って、銀の手入れの仕方などを教えています。

会社名(店舗名) (有)坂巻製作所
住所 足立区千住緑町3‐8‐21
電話番号 03-3881-1341

※情報はときめき紙面に掲載した当時のものです。あらかじめご了承ください。